ヘルスカウンセリング学会 The Academy for Health Counseling

ヘルスカウンセリング学会会員の皆様へ

 学会員の皆さんご無事でしょうか。未曾有の地震、津波、被曝と災害被災地域にいる会員の方々、大変な状況であると推察します。学会で支援できることがあれば、何でも学会事務局(047-332-0726、あるいは3638)に連絡をお願いします。
 学会ホームページに[災害メンタル対策]、[災害ストレス対策]、[災害カウンセリング]を掲示させていただいています。被災者として、支援者として、一市民としてご利用ください。
 学会事務局のある千葉県市川市も、当日の地震の被害やそれに続く余震に悩まされています。余震や放射線被曝の問題は予断を許しませんが、どうか無事におられますように。

ヘルスカウンセリング学会長 宗像恒次

学会の災害対策

現在、ヘルスカウンセリング学会は、被災地への心の支援に関して、以下のことを計画、実施している。

  1. 災害メンタル対策]、[災害ストレス対策]、[災害カウンセリング]を学会ホームページに既に掲示し、メンタルセルフケア法、自己カウンセリング法に関して情報提供している。
  2. NTTと協同で、岩手県、福島県の避難所との遠隔カウンセリングシステムを構築している。
  3. 青少年のための携帯サイト(サミーネットワーク)に、学会ホームページ掲載の[災害メンタル対策]、[災害ストレス対策]を漫画入りで4月から連載しています。
  4. 避難民を抱えた被災地以外の避難施設で、災害カウンセリングを提供するシステムの構築をする。

    災害に伴う心の支援は、これまでの神戸震災支援の経験から、
    ・傾聴支援…訴えを傾聴するサービスの提供、
    ・災害ストレスやメンタルヘルスに関する講演、
    ・セラピー支援…パニック、強迫性障害を含む不安障害や気分障害やPTSSへの支援
    にわかれる。

    経験のないものや訓練のないものが担当することで、かえって被災者のPTSSやPTSDを強める可能性がある(研修で使用するPTSSのチェックリストを参照)。
    有資格者による支援者に対する研修機会やスーパービジョン体制やPTSS対策が必要と考えるが、その体制を構築中なので、とりあえず以下の方法ですすめる。

    @学会のホームページで提供している[災害メンタル対策]、[災害ストレス対策]、
     [災害カウンセリング]で学習をすすめる。
    A阪神淡路震災、中越震災などでの心の支援の有資格経験者に傾聴支援の経験の
     指導を受ける。
    B避難所では、本学会の資格証(本学会公認ヘルスカウンセラーは厚生労働省ホーム
     ページの推奨がある。学会ホームページを参照)を名札入れに入れて明示する。
    C傾聴支援を求められる場合、訴えを効果的に繰り返したり、共感的要約をする。
    D傾聴支援においても、セラピー支援が求められてくるので、学会ホームページの
     [災害メンタル対策]や[災害ストレス対策]]、[災害カウンセリング]の方法を用いながら
     も、学会事務局(047-332-0726、3638、Email:yt5t-mnkt@asahi-net.or.jp)
     に連絡をしてスーパーバイザー体制を構築してもらう。

  5. 被災地への直接訪問カウンセリングや被災者への講演は6月17日午後18時から女川町で実施した。また9月5日夕方に石巻市で実施予定。
  6. 「震災後の心のケア」などの論文を全国レベルの雑誌(月刊公明2011年6月号発表、新医療2011年8月号予定)で発表し、復興を応援する。


避難所での心の支援と実践報告

ストレスを力に〜「心のケア」ボランティア〜

このたびの地震で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。
津波に追いかけられながら危機一髪で助かった小4の女の子、夜が怖くて眠れません。
原発のすぐ近くの建物にいた75歳の女性、着の身着のままで、5箇所も避難所を転々としてきました。肩に手を掛けた瞬間泣き出しました。
75歳の男性は淡々と話されていましたが、涙が・・初めて泣いたよ、と。
こみ上げてくるものを抑えながら、たくさんの方々のお話を聴かせていただきました。
今日31日、全員が次の避難場所に移られました。必死の中の笑顔をありがとうございました。

(文責 佐野幸子理事)

宗像恒次学会長、女川町で『子どもの心のケア』を講演

津波災害地/東松島
津波災害地/東松島
[撮影宗像]

6月17日、学会長が震災や津波でほぼ全壊と知られる宮城県女川町(人口約1万人、児童や両親の死亡を含め、死亡者と行方不明者を合わせ約900名)の山の上に残された第2小学校(役場や中学校等も兼ねる)で、小中学校の保護者や教職員に対し、『子どもの心のケアのために』を講演した。被災後3ヶ月近くとなり、子どもが悪夢をよくみる、よく眠れないなどの問題を抱える。最初は元気のない緊張のある雰囲気であったが、DNA気質に応じた心のケア、子どもの災害ストレス別対応、魔法のスキンシップ法、SAT光イメージ法、SKPイメージ法などで次第に笑いに包まれ、SATセミナーのように盛り上がりました。

女川町役場兼小学校兼中学校にて
 講演 女川町役場兼小学校兼中学校にて